感情を抑えてばかりいると、子どもが言う事を聞かなくなる!?

子どもに強く注意したり叱ったりするとき、シュンとした表情を見ると心がいたむことはあると思います。できればいつも笑顔でいてほしいし、自分だってニコニコしていたいものです。以前「叱らない育児」なるものが話題になったことがあります。当時勘違いされている方が多数おられたようですが、これは頭ごなしに子供を否定しないという意味であり、全く注意をしないとかきつく言わないという事ではありません。

では、子ども可愛さで意識的に強く言い聞かせたり叱ったりするのを抑え、やんわり伝え続けることは本当にしつけの上で大事なのでしょうか?

『常に同じ態度はNG!』

子どもを叱る時とそうでない時の態度の差は大切です。いつも優しい笑顔のママは素晴らしいですが、叱る時までニコニコしていたら子供はそれが良い事なのか悪い事なのか判断できないばかりか、同じ態度のままでは「やっても大丈夫なんだ」と解釈してしまいます。これでは子供のためになりませんね。

かわいそうと思う気持ちをこらえ、叱る時はしっかり叱ってあげましょう。叱るといっても、過度に感情的になってしまうと子供には「怒り」しか伝わりません。また怒った態度でずっと叱り続けたり、1日中不機嫌でいたりすることも良くありません。継続的にそれをしてしまうと、親の機嫌を伺いながら生活していくようになるので、自分に自信が持てず怯えた気持ちを持って成長してしまいます。

叱るときは子どもの目線と同じ高さで、何がダメだったのかを簡潔に伝え、毅然とした態度で指導しましょう。とはいっても、どうしても感情的になってしまうものです。厳しく言い過ぎたと感じたらすぐにそのことは謝り、気持ちが落ち着いたら再度言い聞かせてください。だからといってクドクドと理屈っぽく長い説明をしても子どもは理解できませんし最後まで聞いていません。簡潔にビシっと伝えるのが大事です。少しずつでもいいので、感情のコントロールが出来るようにしていきましょう!

『叱られた経験がないまま育つとどうなる?』

叱られたことがない、または親は叱ったつもりでも上手く叱れずに育った子どもはどうなっていくのでしょうか。子どもは良いか悪いかの判断がつかないまま成長するので、自分の思い通り意見を通そうとします。粗暴な行動をしてもしっかりと叱られたことがないので、暴力に及ぶこともあります。また思春期に入り進学していくと違反したことを他の大人から叱られる機会が増えますが、少し注意されただけでものすごく落ち込んだり、逆に反抗して全く反省しません。

社会に出ると上司や取引先からミスの指摘を受けることがありますが、それにも対応できなくなります。そうなると社会を渡って行けなくなり職を転々としたり、叱られる恐怖から家に閉じこもって働けなくなる可能性が大いにあります。

自立した社会生活が送れなくなったら、あなたは成人したわが子の面倒をずっと見ていかなければなりませんし、成長した子どもに再教育を施そうとしてももう手遅れです。子どもが一人で強く生きていくために、あなたはいつしつけをしなければならないでしょうか?まだ幼い今しかないのです。

愛情とは、決して甘やかすことではありません。大人になったとき困らないように将来を視野に入れれば、然るべきタイミングできちんと注意することがどれほど重要か理解できるはずです。おとなしい子、元気な子、それぞれ叱り方の違いこそありますが、「あなたのため」という思いは真剣に注意すれば必ず伝わります!

『叱る』と『怒る』の違いが分かれば言い方を変えられます

子どもがしてはいけないことをしたら、あなたは叱りますか?それとも怒りますか?叱ると怒るって、行動は似たようなものという認識があると思います。では、なぜ叱ることと怒ることを区別する必要があるのでしょう?今回はその理由について説明していきます。

『叱ると怒るの違い』

辞典で調べると意味はこのように記述されています。
【叱る】目下の者の言動のよくない点などを指摘して、強くとがめる(引用:デジタル大辞泉)

【怒る】不満・不快なことがあって、がまんできない気持ちを表す。腹を立てる。いかる。(引用:デジタル大辞泉)

「怒る」には「叱る」と同じ意味で使用することもありますが、ここでは差別化の為に上記の意味を引用します。

子どもの為を思ってあれこれ注意したりしても、いう事を聞かなかったり何度も同じことをしますよね。またやった!この前も言ったのに!完全に私を舐めてるわね!!と、そのたびに頭にきてしまいます。

でも子どもが言う事を聞かないのは「やりたいことをやる」これだけの理由なんです。私たちは大人同士のやりとりの常識を無意識のうちに子どもにも当てはめてしまっています。だから自分の中の常識から外れた行動を注意しても止めてくれないと、イラッ!としてしまうんです。このイラッとした感情から子どもを怒ってしまっても子どもには恐怖感しか残りません。イライラをぶつけているだけで、子どものために怒っているのではありません。では本当の意味で「叱る」とは、どのようなものでしょうか?

叱ることは、厳しく問い詰めることではなく、してはいけないことを真剣に注意して正すことです。子どもの問題行動のみを見て指摘するので、感情は優位にならず落ち着いて指摘することが出来ます。なので何がいけなかったかのか子どもも飲み込むことができます。

『言い方を変えればこんなに変わる!』

「怒る」と「叱る」の違いはご理解いただけたかと思います。では例として、つい子どもに言ってしまいがちな言葉で違いを比較してみましょう。毎日注意してもおもちゃを散らかして遊んでいたら言ってしまうと思います。「早く片付けなさいっていつも言ってるでしょ!」このように自分の感情優位で言っていたら、言い方を変えてみましょう。「こんなに散らかっていたら踏んで怪我するよ、お片付けしよう」

言い方のパターンは色々あると思いますが、子どものために注意することを念頭におけば自然と伝え方も変わっていきます。言い方を変えたからと言ってすぐにやるとは限りませんが、それでも根気よく言い聞かせていきましょう。

習慣は身に着くまで時間が掛かるものです。それは大人も子供も同じで、ママが言い方を変えていくのと同時に子どもも変わっていくことが出来ます。良い子に育つか、困った子になるかはしつけ次第。良いことをしたり何かが出来た時は褒めて、注意するときはしっかり叱ることは、当たり前ですがとても大事です。

疲れていたり余裕がなかったりすると感情をぶつけてしまうことだってあると思いますが、そんなときは怒ることと叱ることの違いを思い出すように習慣づければ、きっと上手く感情をコントロールできるはずです。

嘘をつくのは成長の証し!だけどこんなふうに注意しよう

子どもって不思議なもので、嘘はこうやってつくんだよと教えなくても、ある時期になると嘘をつくようになります。「ゾウさんやキリンさんと公園に遊びに行くんだ!」という幼児的な嘘は空想混じりで、咎める必要はないものです。それは成長段階で起きる事ですからほほえましいな、とも感じるでしょう。ですがついてはいけない嘘も徐々に覚えていきます。今回は子どもの嘘に対しての注意の仕方や対処法を紹介していきたいと思います。

『嘘をついたことが分かった時の対応は?』

遊んでいたらモノを壊してしまった、遊びに夢中になりすぎておもらしをしてしまった。その瞬間、子どもは怒るママの顔を想像していることでしょう。こんなとき、あなたがやったの?と聞いても「やってない」と叱られたくない気持ちから嘘をついていたら正すべきです。

でも叱られたくないから嘘をつくということは、普段何か失敗をしたときにきつく怒られているからではないでしょうか。あなたがお子さんを叱る時、ついつい感情が高ぶって怒りをぶつけていませんか?頭ごなしに叱って、嘘をついた理由を問い詰めてしまっていませんか?正しいしつけを目指すあまり、子どもの本音を見逃してしまっては解決しません。

小さな子どもが自分を正当化しようとする嘘をつくときは、それ自体を問題視するだけでなく、普段の対応を見直してみましょう。たとえば「怒らないから本当のことを言ってごらん」と言って子どもが真実を話してくれたあとに「やっぱりあなただったのね!」と怒るのはいけません。怒らないって言ったのに怒ってる!ママが嘘ついた!こう思われても仕方ありません。

それどころかますます嘘を隠すために更に嘘をかさねてしまうことになりかねません。相手が子どもでも、誠実に対応しましょう。そして日常生活のなかで親子のやりとりがスムーズに行われていることも大事です。

失敗しても受け止めてもらえる環境があれば、子どもは精神的に安定します。受け止めてくれるという信頼関係があれば、必然的に嘘をつくことはなくなっていきます。ですがそれでも嘘をつくときはつくものです。そのときは子どもの気持ちを先に汲み取ってあげましょう。言いにくい事なら、聞き出してあげると少しずつ話してくれます。

誰かを傷つけるような嘘をついているのが分かった時はすぐ止めるよう対応してください。子ども同士のふざけ合いでは済まされない事態に発展してしまうこともあるからです。本人にそのつもりはなくても、傷つけられた誰かはいじめと感じて辛い思いをすることになります。

年齢が上がると嘘も巧妙になります。でも常に会話やコミュニケーションをとっていたら、いつもと違うことがあればすぐに気づくはずです。相手を気遣うときに嘘をついてしまうこと、例えば痛いけど心配させてしまうから痛くないと言ってしまうような事はあるかもしれません。いじめられているけど、言い出せず嘘をついて事実を隠すことだってあります。嘘には子どもが助けてほしいサインが隠されていると認識し、子どもが助けをすぐ求めることが出来る親子関係を築くことが大切です。

うちの子ができるか心配。でも他の子と比べなくても大丈夫!

うちはうち、よそはよそ。頭ではわかっていても、仲のいい友達のほうが覚えが早かったり、運動神経が良かったりしたら何となく不安になるものです。うちの子って成長が遅い?もしかしたら障がいを持っているのかな?でもデリケートな話題は身近な人にも相談しにくいですよね。今回はママの気持ちを楽にする「うちの子は大丈夫」と思える考え方をご紹介します。

『他の子との差は個性の差』

生まれてきたときから、子どもはすでに個性があります。とてもよく眠る子、中々寝てくれなくて一晩中泣いている子、同じママから生まれてきたのに兄弟で全然違う性質を持っているという話も本当によく聞きます。赤ちゃんからもう少し成長して自分で遊べるようになると遊び方にも違いが現れます。興味を持つ対象も子供によって違います。

もし「うちの子って何でこれが出来ないんだろう?」と思っても、焦らず見守って下さい。育児書には何歳頃にはこれが出来るようになる、と書かれていたりするのでそれをすべての指標にしてしまうと「遅れてる!心配!」と不安になるばかりです。あくまで目安ですので、実際は長い目で見守ることが大切です。

ただし例外として、1歳児検診や3歳児検診などで医師から診断があったり、検診で診断されなくても普段の様子を見ていて同年齢の子供たちと明らかに違う場合はお住まいの市役所や区役所の子育て支援部署に相談してみましょう。専門機関や医師を紹介してくれますし、その他細かい相談も対応してくれます。

『できる事をもっと伸ばそう!』

子どもにそれぞれ個性があるということは、できる事の中でも得意なことや好きでずっとしていることがあると思います。クレヨンで紙に何か描く、車のおもちゃが大好きでずっと並べたりしている、人形遊びに夢中になって世話をする。気に留めなければ、好きだからずっと遊んでいるんだというだけで終わってしまいますが、夢中になれる遊びは褒めてみてください。

たとえば絵なら、何を描いたのかわからなくても「線がたくさん描けたね」とか「色々なクレヨンを使ってきれいだね」とか、どんなに些細なことでも良いので出来たことを評価しましょう。ママに褒められると子どもには自己肯定感が生まれます。

自己肯定感とは、「自分はここにいていいんだ、ママから大切にされているんだ」という、最も根本的で大切なことです。それを得ることで子供には安心感が生まれ、どんどん新しいことに意欲が生まれます。

新しいものを見たり聞いたりやってみたりするのは、子どもにとって大きなハードルです。何かわからないものは全て不安になるものです。でも、心の中で安心感を持っていれば、その子の世界は大きく広がっていきます。

人は誰だって得意と不得意があります。大人になればなるほどそれを痛感しますよね。自分が不得意で出来ないことがあると、勉強しておけばよかったとか、もっと早くやればよかったと後悔したりするものです。

だからこそ子どもの「できないこと」が気になってしまうのかもしれません。でも、「できないこと」より「できること」に目を向けましょう。子どもの可能性は無限です。暖かく成長を見守って下さいね。